それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

欲望が坂道。

人間というものは、やっぱりとってもきっぱり欲望を抱えて生きています。でも私には、みんなそんな事はおくびにも出さず、欲望なんてありませんって顔して、日々生きているように見えるのです。安い表現で言えば、仮面を被って生きている、みたいな。でもやっぱり人間ですもの、どうしてもその仮面が剥がれ落ちる瞬間というものがあります。一瞬の無防備と、垣間見えるゆらゆらとした欲望。そんな瞬間を捉える事が、最近のマイブームなのでございます。


以前からちょこちょこ書いていますが、メイド喫茶はそんな欲望定点観測のスポットとして定着しています。安いキャバクラの様な利用方法をしている客、常連的なご主人様達の言動を見ているとステキなトリップ感覚が味わえます。欲望渦巻く場所には、日常からの乖離という磁場が発生しているように思います。


そして、最近また新たな楽しみとして浮上しているのが、ラブホテル街探訪。ラブホへと向かうステキカップルを見ながら、色々空想を繰り広げるというファニーなお楽しみ。そして特に、道玄坂周辺は素敵スポットなのです。坂道を上がっていく欲望と、欲望を放出して下ってくる人々が同時に観察できるのですから。みんな、きっと普段は真面目ぶった表情で武装してるだろうに、この坂道では、一瞬の油断が生まれるのです。その油断と、その無自覚な欲望。そのよくぼーの磁場が素敵過ぎて、私は道端で少しよろめき、そして何故か、少し安心していたりもする。なんなんだろう、この安心感は。この安心感の秘密が知りたくて、私は今日も欲望と戯れる。


ちょっとした人生の縮図が、この坂道にはある様な気がするのです。