それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

ナンカレー! ナンカレー!

どちらかと言えばタモリ派の私なのです。いや、それダウト。生まれてこの方タモリ原理主義な私。という事はつまり、ミュージカルとか嫌いなんですけど的思想が根付いちゃってる訳ですよ。思い返せば小学校の頃、熱気漂う体育館にすし詰めにされて、変なお芝居を見せられた事が一種のトラウマになっている気がします。ベーブルースかなんかの伝記をやってたんですけど、役者さんも三人くらいしかいないし、日本人の普通のおじさんおばさん達が特に舞台装置も用意しないまま、舞台上で野球を表現しているシュールさ加減を、子供心に「ありえない」と心に刻んだ記憶があります。その後、何の因果か自分で演劇をやり始めたり、野田秀樹さんやら大人計画松尾スズキさんとかクドカンがいる劇団)の芝居を見て、だいぶその思いは中和されたんですけども。


それでもまだまだミュージカルへの苦手意識が払拭できていなかった中で、今回のリボンの騎士ミュージカルにはまっちゃってる自分がいるんです。その理由を考えてみると「劇中に歌うことの必然性」を、娘。が演じる事でクリアーしていた事が挙げられるのかなと。だって歌手なんだもん。簡単な理由ですけど、その一言に尽きます。いくら役者さんの演技が上手くても、歌が上手でも、お芝居自体に違和感を感じてしまうと作品の魅力が半減してしまいますからね。私はどうしても、邦訳された物語を日本人が歌い踊るのには無理があるなぁと感じてしまうので。漫画を原作とした物語をミュージカル仕立てにしたっていうのも、作品に感情移入しやすかった要因の一つなのかなと思います。


あとこれは全く個人的な感想なんですが、ほぼハロプロメンバーだけで役を固められた事も大きかった。先日「HELP!! 熱っちぃ地球を冷ますんだっ。」のDVDを購入して、流し見たんですが、やっぱりプロの役者さんは上手い。各シーン各ユニットに役者が配置されて、物語を展開していくのはアイドルのミュージカルの構成としては正解だし、王道なんだと思います。でも正直、その「演劇的な」演技にお金を払ってるのかっていったらまた別の話で。ちょっと話はそれますが、ああいう演技こそがいわゆる「エンゲキ的」なものとして一般の方にイメージされてるものだと思いますし、ダサいって思われてる要因な気がするのです。演劇界には「もっと面白い人達がいっぱいいるのに!!」と、ああいう演技を見てるといつも心の中でジタバタとする思いで一杯になります。まぁそれは置いといて。そういう小器用な人達を沢山いれるんなら、今回の様に箙さんとマルシアさんっていうお手本であり軸になるような方を中心にして、ハロプロ勢が周りを固めていく方が見ててスッキリしますよね。


とにもかくにも、演技であるとか歌唱であるとか、技術的に優れているものだけが評価に値するものでは無いという事なのです。人間的な魅力だとかオーラだとかそこに至るまでの物語だとか、本来持っている能力以上のものを発揮する様だとか、何かがのり移ってるとしか思えないような爆発力だとか、破綻しているからこその狂気だとか(これこそまさにつんくであり娘。的)、アイドルが関わる作品の面白みっていうのはそういう所にこそ表れてくるんだと思いますし、またミュージカルの様な「生物」にはとりわけその傾向が強くなるんだと感じます。話は早いですが、もし来年もミュージカル企画があるのなら、今度はブロードウェイ的な歌にダンスに大忙し的なものを演って見て欲しい。日本でそういうのを違和感なくできるのは、もうジャニーズかハロプロでしかあり得ないと思うので。


そういう訳で、明日は辻さんを見学しにまたまたまたコマ劇場に行きます。今回は紺野さん似の友達と連れ立って行くので、その子の感想も楽しみにしつつ。そしてそして驚く事に、今日は急遽、劇団四季オペラ座の怪人を観劇してくる事になりました。プロ中のプロのミュージカルとはどんなものなのか、しっかりと目に焼き付けてきたいと思います。あるんだね、こういう巡り合わせも。