それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

モーニング娘。コンサートツアー2007春~SEXY 8ビート~


モーニング娘。コンサートツアー2007春~SEXY 8 ビート~ [DVD]

モーニング娘。コンサートツアー2007春~SEXY 8 ビート~ [DVD]


買ったよぉぉぉぉ買ってきたよぉぉぉぉぉ!!!! 吉澤さんの卒コンは参加していたんだけど、あまりの情報量と初めての卒コンという事でテンションがおかしくなっててちゃんとレポが書けていなかったので、今回しっかり書いていきます書いていこうと思います。今回はイク・ディゾン(Ikuh Dizon)さんっていうマレーシアで観光客相手にえげつないポン引きをやってらっしゃる方と一緒にDVDを鑑賞したので、その方の感想も併せて載せていきます。


MiiiiNaaaaSaaaaaaMaaaaa! konniti wa!! Ikuh Dizon dayo.

メンドクセーカラローマジジャナクテカタカナデカクカラ。

ホラドウセオマエラアレダロ、ジュンジュンノツタナイニホンゴキイテアソコモ(以下不適切なマレーシアジョークがあったので削除しました)


01.元気+


無駄に荘厳なイントロから始まった今回のツアー。アルバム一曲目からライブが始まる幸せをかみ締めながら、否が応でもテンションが高まってきちゃうのこれ。古臭くて安っぽくてそれでも娘。なりの猥雑さを持ったせくしーな世界観を提示するこの曲が大好きなのですが、こんな時に自分の無知を呪ってしまいたくもなるのです。だって自分が好きな曲であればあるほど、音楽の知識がないから、その良さを言葉で言い表せないんだもん。そんなこんなで会場のボルテージが徐々に上がってきた所で、「さゆ! さゆ!」というオタ声が聞こえたかどうかはわかりませんが、これから戦地にでも向かうんじゃないかっていうくらいの悲壮感でもって高橋さんの表情が映ります。がきさんと道重さんもクールな表情。ライブに引き締まった緊張感が漂ってきました。そしてかめi……はいでました「とりあえず無表情をつくってみました」顔。やってくれます。やっぱりやってくれます亀井さん。そして久住さんに至っては……笑ってやがります。破壊です。始まって49秒で「SEXY」な世界観が崩壊してしまいました。無残、セクシー。How to use SEXYですまさに。ここまで見ると逆に当初の高橋さんのツラが笑けてきますよね。まるでかみ合ってない。でも、これが俺の好きなモーニング娘。なんだよ。吉澤・藤本さんの年長組はさすがの表情。藤本さんの「憂」と吉澤さんの「求」。場に再びセクシーなビートが刻まれ始めて、いざ開幕。


実際の会場では「優しい声が聞こえる」というリフレインがファンの声援と相まって、なんだか鳥肌がっつんがっつんたつような空気感だったですよ。がきさんの不安そうな表情と、次第に高まる歓声。メンバーの声がオーバーラップしていき、最後に見えた亀井さんの笑顔。秀逸。道重さんの表情にはいつになく情念が篭っているようにみえた。「懸ける」なんて言葉とは無縁の彼女だけれども、この日は確かにそうであったように思う。嘘だけど。高橋さんの怪我は残念でならないけれども、その分気合の入り方が違っていたし、それはいい方向に作用していて。半端じゃない上半身のキレとミエの切り方、梅沢富美男と並んだよね競っていくよね今夜は正に夢芝居やで。そんでもって間奏でのダンスのカッコよさったらないけど、もう光井さんってばすっかりモーニング娘。に「なってる」のね。ちょっとした衝撃。そこにがきさんが身をよじらせながら、そして道重さんが必死な表情で歌を重ねていく。マイクを持つ手を見てるとガキさんは小指が立ってて道重さんは立っていなかったりもします。意外なようで全く意外じゃないこの感覚はなんだろう。何がさゆみんだあそこはもうリンリン&じゅんju(以下、モーニング娘。新メンバーのジュンジュンさんとリンリンさんの名前にひっかけた下ネタがありましたので削除しました。お詫びして訂正いたします)。


「優しい声が聞こえる」と歌いながら、不安そうに、何かを探しながら舞台上を駆け回る彼女達。そして徐々にメンバーが集まり、同じステップを、おんなじリズムを刻み始める。それは本当に単純で、体を左右に揺らしているだけのようであり、でもそうやって同じビートを持って集まった九人の姿に、僕はやっぱり「モーニング娘。」を感じてしまって、何だかあっつくなってしまった。これは、嘘じゃないよ?



02.笑顔YESヌード


完璧。この流れはやばいって。レインボー7ツアーでのHOW DO YOU LIKE JAPAN?~THE マンパワー!!! の流れに匹敵するアガり方。がきさんと高橋さんの生真面目なフェイクがツボなんです。なんだろ、「譜面通りのフェイク」っていう相反する感じがたまんなくて。二人のこういうとこを巧く拾い上げられるつんく師匠ってやっぱり、素敵やん。


この曲は中盤に光井さんに初めての見せ場がやってきます。みんながクールにばしっとパフォーマンスを決める中、並み居る先輩を押しのけて真ん中から光井さんが出てくるんです。うん、何かレスラーみたいだいい意味で。なんだろ、リズムの取り方がちょっと独特なんだろうなぁ。「のっしのっし」っていう擬音語が合いそう。よくわかんないけど、とりあえず「杉浦貴か」というツッコミをいれておきますが、似てるとか似てないじゃなくて、とりあえずニュアンスで言ってみましたごめんなさい。


でね、そんなフォーメーションの隙間からね、吉澤さんの笑顔が見えるんですよ。曲の世界観だとかそういうんじゃなくて、ただ純粋に笑ってるの。それに藤本さんも「もうっ」なんて言いながら笑いかえしたりしててさ。あぁもう「それ」でよかったんじゃんなんて、ちょっと物悲しくもなってみたりして。そして後半は光井さんに代わって道重さんが花道をリングに向かって割って入ってきます。王道継承です。ちょいとした橋本真也ばりの迫力を持ってその大役を見事にこなした道重さんには、もはや貫禄すら感じられました。よくわかんないけど、とりあえず「白鵬か」というツッコミをいれておきますが、似てるとか似てないじゃなくて、とりあえずニュアンスで言ってみましたごめんなさい。あと新日と全日と大相撲までごっちゃにしてごめんなさい。


愛してやまない、その「ひとみ」



MC ジュンジュン&リンリンお披露目


ついに早安少女組。のお二人がモーニング娘。のライブに降臨なさいました。この発表はファンの間でも賛否両論、というよりも「モーニング娘。に中国人(タヌキ顔)」っていうグループをイメージできていなかったように思います。そして当日、意外とすんなりと、それでも何か違う種類の緊張感を持ってファンは彼女らを出迎えていました。もちろん中華娘である彼女らはカタコトのニホンゴを駆使して自己紹介をしているし、それを聞き逃すまいと静寂を保っているファンの姿。そんな姿に、何だか可能性を感じてしまって。過度に盛り上がるわけでも下がる訳でなく、かといって茶化す訳でもない。ただ「聞いている」という状態。うんそれはそこはかとなく「おもしろかったよ」


ジュンジュンハタヌキ! ヲタハバカサレテコエダメニオチレバイインダ!!

スットサメタメヲスルトキガアッテ、ソレガエムッコニハタマラナイヨネ!!!

リンリンハルックスガカンセイサレトル。

シンオオクボノヤラシイタイリクマッサージトカノチラシノモデルッポクネ? ンナコタナイ。



03.ポップコーンラブ!


「おいしそうなタイトルの曲」っていうカテゴライズにちょっと笑った。確かにそうだけど、身も蓋もなくないか。それにしてもこれ、いい曲だよね。カップリングのお手本みたいな感じだし、こういう曲を注文通り作れるのがプロの仕事なんだろうと思う。プロの仕事、といえばやっぱりがきさんの所作に触れないわけにはいかない。「(何気なくチューをしたけど)みんなが見てるよ」というパートでの、あの照れくさそうな表情をしながらでこを触るがきさん。何故でこをおさえるのかはまったくわからないけど、とにかくかわいらしいがきさん。「みんなが見てるよ」とヲタを見渡すがきさん。楽しそうながきさん。幸せそうで。露出狂なのかがきさん。あぁ、がきさんっていったいなんなんだろう。そんな事を思ったり思わなかったりしながらDVDを見つめておりました。


「今宵は」のミキティの声がいい意味で心に引っかかってくる。力強い声なんだよ、埋もれない声なんだ。だから埋もれさせちゃいけないんだ。



04.すき焼き


こういうテンポの曲だと藤本さんと新垣さんは強いよね。もっさんはいずれ演歌の世界に向かっていったらいいと思う。和服も似合いそうだし、極妻的な感じで。


六期三人揃い踏みがここで実現するんだけど、その並びに注目。右には「リアル月島きらり」こと田中れいな。どんなに激しく歌い踊っていても、決めの目線やポーズを欠かさない。しかもそれは公演を重ねるたびに精度が高まってきていて、既にアニメーションの域。笑けてくるよー彼女見てると。身体的にアイドルを体現できる娘です。左には「踊る阿呆に歌う阿呆」こと亀井絵里。田中さんとは対照的に、とにかく自然体。表情も動きもとにかく柔らかいのね。右の首筋が美麗。ただダンスはとにかくダイナミックで、重心が安定してて、娘の中でも目を引くものになってますし、歌も物凄い勢いでそこに追いついてきてるのこれ。生で見て、亀井さんがめちゃくちゃ成長してるのには、本当にビビったよね。全盛期のオールナイトニッポンにラインナップされてもおかしくないラジオ番組「GAKI・KAME」を聞いてもわかる通り、懐の深い馬場的な娘です。そして中央には「平成のピンクレディ」こと道重さゆみ。最近やっと彼女のバラエティ能力がみんなに認められてきて嬉しい限り。ヤンタンでもそうですが、世界で7番目に面白いラジオ番組こと「今夜もうさちゃんピース」を聞けばわかる通り、もはや彼女は周りを活かすという事を覚えてきています。昔はあくまで自分のキャラがまずあり、そこに周囲を巻き込む事で「おもしろさ」を生んでいました。今は場に応じてキャラを使い分けるという事もある程度できてきており、成長著しい限り。田中さんが切り込み隊長として乗り込んで、天然の亀井さんが場を混乱させていき、そんな二人を道重さんがコントロールして楽しんでいる。この三人のバランスのよさったらないよなぁなんて思いながら、感慨深くスリーショットをおいしくいただきました。



05.踊れ!モーニングカレー


あぁそっか、がきさんは菩薩だったんだ。イントロでおもむろに娘。たちが一直線に並び立ち、がきさんを先頭に千手観音的なフリがはじまるという、まさにモーニング娘。曼荼羅状態。爆笑。だってあんまりにもがきさんが神々しい穏やかな笑顔を浮かべているんだもの。さてもはやライブでも定番になってきたこのバカ曲。とりあえずなぁんにも考えずに楽しめるのがすっげぇ好き。ここはとりあえず腕を上下させちゃうもんね。道重さんの必死な腰使いと表情は鉄板の面白さだし、亀井さんのバカさ加減がしっかり表現されてます。あと田中さんの「でもやっぱ庶民」の時の顔が毎回楽しみで、何ていうのかな、毎回微妙な当たり外れがあるのがいい感じ。



06.出来る女


豪快に光井さんが音を外すとこから始まるこの曲。その直後に亀井さんがキャリアを見せ付けるかのように情念たっぷりに歌いこなすという、これぞモーニング娘。やねんといった先輩後輩制度の面白さが凝縮されておりました。しかしなんといってもここの見所は、吉澤さんのカッコよさと道重さんの肉体が正直なEROSです。吉澤さんが女性に人気があるのはまさにこういうところなはずで、いやらしいんだけどエロくないというか、エロいんだけどやらしくないというか、なんだろうねぇ、ねっとりとしてない感じ。それでいて目線の外し方であったり指の置き方には随所にゾクッとさせられてしまう。ラスト、光井さんのマイクを外す辺りからの一連の動作なんて絶品よねもう。でもってこの後のMCコーナーで見せるいい意味での適当さ? とのギャップに、もう腰砕けにさせらちゃうんでしょうね。世が世なら、いいホストになれそうな逸材かと思われます。特に「歯が命です」辺りのやりとりは酷いよね(いい意味で)。その後にさらっと「どんなときでも笑っててください。そうすれば、自然と楽しくなってきますから。」なんて良いこと言ったりして。そりゃあそこもジュンジュンやで。



07.シャニムニ パラダイス


出ました今ツアー最大の問題作。メンバーも藤本・高橋・新垣・田中と、現モーニング娘。におけるパフォーマンスの中心を担っている四人を揃え、相当レベルの高いものを提供してきたという所。このパフォーマンスを見てまず最初に感じるのは、違和感である。そしてその正体は恐らく「身体の人形化」から来るものだろう。彼女らがメロディに合わせて非人間的、いわば操り人形の様なダンスをする姿に、僕らはまさに「夏休み」のような非日常性、つまり「ズレ」を感じるのである。その「ズレ」があるからこそ、そこに例えば藤本さんの「照れ」であったり新垣さんや田中さんの「過剰」であったり高橋さんの「余裕(もっと言うと、足の怪我)」という「人間性」が浮き出てくるのだ。アイドルは虚構である、であるからこそ、その彼女らをさらに虚構の世界に当てはめた時、そこに虚構でない何かが見えてくるんじゃなかろうか。ASAYANっていうのも、つまりはそういうことだったんじゃないかなぁ。他ならぬつんく師匠自身、まさか「アイドルのプロデューサー」っていう虚構に自分自身が飲み込まれていくとは、あの頃予想もしてなかっただろうしさ。


がきさんの足パカパカが糞おもれぇぇぇぇ! れいにゃのロボットダンスとかマジ笑ったんだけど。なんだありゃ。狐でもついてるのか。つか、れいなのロボットの時のあのおもろさってまじなんなん?ただただおもしれぇんだけどアレ。ツラが真剣だからかそうなのか。がきさんのパカパカは冬ハロの石川さんに並んだやも。でも石川さんのそれとはまた質の違うおもろさよね。石川梨華新垣里沙に関しては生真面目だしそれが過剰さを生みだして滑稽さを醸し出すんだけど、表面にあらわれるオモロさのベクトルがなんだか違う気がするのね。簡単に結論がでねぇから、とりあえず爆笑って一言で済ますけどさ。なんだろな、とりあえずすげぇよこいつら。


あ、あとカタカナで書くの面倒くせぇからちゃんと日本語に訳させてから載せるから。べ、別にカタカナだと読みづらいだろうなとか、そ、そんなんじゃないんだからね!! とか書いときゃ萌えるんだろオマエラ。



08.ハッピー☆彡


月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。)ってすごいよねいろんな意味で。小泉今日子のコンセプトを違った形でやり直してる様な感触はあるんだけども。アイドルがアイドルに扮してアイドルとは何かって論じてる辺りね。去年の秋コンの時に、舞台上でスクリーンに映った月島さんにアテレコしてる久住さんっていう図があって、笑った記憶があるなぁ。でもその時から比べても久住さんの成長は明らかで、虚構が現実を引っ張っていって人間がアニメのキャラを凌駕していく、そんな二次元と三次元の融合だったり、ひいてはネット社会における僕ら生身の人間の在り方みたいなものすら想起させられる、そんな一つの壮大で幸せな実験結果を見ているような気分になったとかなってないとか。とりあえず、あの人数の観客の声援を一身に受けるあの娘から、すっごいオーラが出てたのは間違いない。


「スキなことは違っていても 夢中になるキモチはおんなじ!」「今さらだけど 女の子にね 生まれて正解!!」「オシャレをするとウキウキしちゃう なんでも言えそう! キレイになるとココロも踊る! やめられないね!」 ええ歌詞やよね。ええよ、ええなぁ。それにしても、ラストの「wowowo」みたいなところで完全にマイク外してるのはいいのか、大丈夫なのか。あそここそ歌うんとちゃうんかい。そういうとこが逆に良いんだけど。



09.春 ビューティフル エブリデイ


はい名曲。つんく先生はこういうの本当うまいよね。いやらしさがないのがええわぁ。片方が歌ってる間、もう一人は「ケンケンパ」みたいなフリがあるんだけど、ここは好対照な二人の魅力が出ておりました。光井さんはといえば、「パ」のところで完全にアホの子になってましたね。何だか「パ」が「ッパッ」って感じで変に力強いというかピンとしてて。で、亀井さんはといえばアホの子っていうかアホなんで表情は完璧なんですが、無駄にダンスのスキルがあるので体の軸がぶれないんですね。「トントンドンッ」みたいな。だから妙にキレイな「ケンケンパ」が出来上がっており、表情と合わせて良い感じのコントラストでね。


「すごく 絵里が(愛佳) 好きよ」みたいなコールは好感持てたな。



10.雪/愛×あなた≧好き


高橋さんの事だから、足を怪我してしまったという事を本当に深刻に捉えてしまって、ネガティブになって、きっと泣いていて。だからこそ、激しいダンスのないこの曲に色んな想いをぶつけてきているのは想像に難くなく。だって、ライブ後半にいくに連れて、みんなと同じように踊ろうとしてるのが生でもDVDでもわかるんだもん。「みんな観ててくれる」という吉澤さんの言葉、確かに受け取りましたし、高橋さんの気持ちもちゃんと伝わってきてますから。



11.宝の箱


平成のピンクレディこと重ピンクと、こはっピンクの恐らくラストナンバー。「スタンドマイク」で「バラード」を「久住さんと道重さん」が歌うっていう、それ自体がもう「ロック」やん。久住さんが恐ろしいくらい余裕を持ってこなしてるのが末恐ろしいし、その歌ってる後ろで久住さんの影から顔を出して手を振る振り付けをしてる道重さんの顔があんまりにもあんまりだったのでぶん殴ってやりたくなりました。それで殴った後、訳がわからなくなって泣きそうになってるさゆを抱きしめてやってそれで色々あった後に幸せな家庭を築いていきたいなと思います。もしも家を建てるなら、小さな家を建てたでしょう。大きな窓と小さなドアと、部屋には古い暖炉があって。真っ赤なバラと白いパンジー、子犬の横にはさゆが、さゆが、さゆがいて欲しい。それが僕の夢、だったんだ。愛しいさゆは今何処に。ピンクの絨毯敷き詰めて、楽しく笑って暮らしてて。家の外では双子の娘が遊んでて、娘の横には、あなた、あなた、あなたがいて欲しい。それが二人の「希み」だったんだ。愛しい「あなた」は今何処に。そして僕はレースを編むんだ、僕の横には、その横にはあなた、あなたが、「あなた」がいて欲しい。


だから唐突に昔の歌謡曲から妄想を引用しても誰もわかんないから。ここは場末のキャバレーじゃねぇんだぞバカ。



12.幼なじみ


今さら何を言ってもしょうがないし、今さら何を言っても何も変わらないんだけれど。だからきっと「言っても仕方がないことは、言っても仕方がないこと」なんだろうし。でも、それでも何かを言いたくなってしまうものじゃない。そういうもんじゃない。「好き」ってそういう事なのかもしれないし。かっこ悪くて未練がましいものだったりもするじゃない。モーニング娘。が好きだっていうこの気持ちは、「こんなにもくそったれなのに、こんなにも素敵なんだ。」(指定されたページまたはファイルは存在しません 07/06/29)っていう、そういう事なのかもね。



13.通学列車


いよいよ折り返し地点。「モーニング娘。吉澤ひとみ」を一気にプレイバックしていきます。ここから急に卒業というものが意識されはじめて、せつない。「卒業」していった女性達は、最後に神々しいとでも表現したくなるような笑みを湛えて娘。を去っていきましたが、ここにきて吉澤さんにも、そんな笑顔が。それは儚くも美しい、それでいて残酷な愛すべきエンターテイメント。



14.未来の太陽


「ライブの中盤に雰囲気を変える曲」っていう意図にびったしはまってる。こんなに曲順に納得がいくのも珍しい。この曲入れるならここしかないよね。意味を捉えるなら、吉澤ひとみの始まりと終わり(次世代のモーニング娘。へ)ってところ。それにしても田中さんが凄い。特にこの曲では終始歌を口ずさみながら(クラップやアクセントになるドラム音まで!!)それに合わせてポーズと表情を作りこんでいた。努力だよね、本当に努力家な娘だと思う。ただ、僕がこのDVDを見てて一番田中さんの事を「カッコイイ!!」と思ったのは、実はジャケ写の表情で。それは田中れいなを作りこんでいく中で生まれた、まさに一瞬の隙。写真で切り取られたその一瞬には、確かに彼女の素が映りこんでいて、それは間違いなくロックだったんだ。もっともっと、そういう表情を見てみたいなと思わされた、ドキっとさせられる写真でした。もっと出せ、出してこい。



15.悲しみトワイライト


吉澤ひとみをおいしく調理してみましたシリーズの一発目。手を振り上げ、空を蹴り飛ばし、髪を振り乱す。シンプルな動作に滲み出てくるカッコよさ。あとこの衣装結構好き。Mステでのよっすぃアップから始まるこの曲のイントロは、娘。史上屈指のクールさだったなぁ。歌入る前に、みんなが背を向けてキメてるのもいいよね。背中で魅せれるっていうのも、やっぱり吉澤さんの魅力の一つだろうと思う。言葉は多くなかったかもしれないけど、その背中に背負ってたものは大きくて重たかったろうし、そんな背中をみてメンバーも信頼してついてけたんだろうし。なんだ、一徹か巨人の星なのか。そうなの☆カナ



16.浪漫 ~MY DEAR BOY~


吉澤ひとみをおいしく調理してみましたシリーズの二発目。前の曲終わりで見せた笑顔から、浪漫のイントロが入り、ポーズ決めながら徐々に息を整えて、グッとこちらを見据えてくるあの目線、瞳。肩でリズムを取ってブレイクし、すぐに舞台前方に駆け出していって、セリフ。その直後、高橋さんの鬼気迫る煽り。ここの二人には舞台の神様が降りてきてたね。完璧という言葉はこういうときに使うんだ。そして田中さんの「つぇぁ!」。ここには笑いの神様が降りてきてたね。滑らないという言葉はこういうときに使うんだ。


曲終わり、藤本さんが本当に気合の入った声で「もっっと!」「oi! oi!」と観客を煽り、新垣さんはとんでもなく楽しそうに、とんでもない高さのジャンプを決めていた。そして赤い衣装で、しなやかに腰をくねらせる久住さん。全ては大団円に向けて進んでいた。この九人での「モーニング娘。」は、きっともうすぐ完成し、完結する。


17.歩いてる


結果的に、この曲が吉澤さんの率いたモーニング娘。の集大成だったんだろう。彼女は「家族」としてのモーニング娘。を確立し、またそういった雰囲気をもったグループだったからこそ、この曲がより一層の輝きを放ったんだと思う。日本の女性グループの頂点に立ったこの曲を持って、「みんなの中でのモーニング娘。が、いなくなってしまった」 けれど、それでも彼女達は歩いていく。厳密に言うと、歩いてる。どこかへ歩いていくのではなく、歩いている途中。目的地に着いたらそれでお終いの旅ではなくて、色んな目的や目標をもって歩いてく。どこへ辿り着くか、何が起こるかまったくわからないけれども、まずは歩いてみる。どうでしょう、一生そんなんでどうでしょう。


18.メドレー(LOVEマシーン・ザ☆ピース!・恋愛レボリューション21


黄金期といわれる時期の曲を連続で。怒涛だ、楽曲の完成度は今も色あせる事がない。「つんく♂がオモロイと思った女達」が「LOVEマシーン」を歌い踊っていて、それを誰かが「モーニング娘。」と呼ぶのなら、それはいつまで経っても「モーニング娘。」であり続けるんだろう。この三曲をもって、吉澤ひとみは後輩達にモーニング娘。というバトンを託した。過去の娘。達はもちろんモーニング娘。だったし、今後バトンを受け継いでいく娘。達も紛う事なきモーニング娘。なんだ。


それにしても見所だらけなんだよね。「ディスコ」とささやく道重さんからはすでにエロス的なものが出てきちゃってるし、やっぱり直系の高橋さんと新垣さんは正しくおもしろいし。ラブマとピースの繋ぎのとこで、一瞬映ったがきさんの汗ばんだ表情なんてまさにロックで、それでいて「みんなも一緒に~」はいつだって同じがきさんだ。彼女は変わらないものの良さであったり、変えちゃいけないものをよく理解していて、だからこそ信頼するに値する。久住さんは決して石川梨華のコピーではないし、ましてや月島きらりでもない。彼女は久住小春であり、彼女なりの個性を持って堂々とピースのセンターを張っている。そんな姿に、僕らはどことなく、石川さんを重ね合わせたりもする。品行方正が娘。のウリだなんてのは後付けで、藤本さんみたいな破天荒さがあったからASAYANの頃の彼女らはより輝いて見えてたんだろう。歌が好きで、必死こいて歌って踊ってりゃそれでよかったんじゃないんかい。ピースラストんとこら辺なんかはまさにカオスで、高橋さんは壊れちゃってるし藤本さんは吉澤さんのスカートめくって素で笑ってるし、何だか最高で。そっから恋レボへのつなぎもいい感じにバタ臭さがあってよかったよかった。それにしたってこの恋レボこそすげぇ曲で、今だにJポップ史上に残る名曲なんじゃねぇかと思っとる訳なんだけれども。だってこんな曲他にないでしょ。中盤のラップダンスを見てるとやっぱり岡女。を思い出してしまうし、当時高難度とされていたダンスを全員サラッとこなしているのを見ると、当時とはまた違った魅力がそなわっているんだろうなぁという事も感じる。それでも「れいな」「がきさん」のコールは呼ぶ名前が変わったとしても、やはり熱気を感じるし、それはたぶんすっごく大事な事で。結局のところ、亀井さんがずっと楽しそうに歌っている、あの表情に全てがつまってるんだ。歴史も、想いも、あの笑顔にはたくさんたくさんこもってる。



19.その出会いのために

 

あの大きな会場が一面まっしろに染り、よっすぃコールが鳴り響いていたあの時間。それは卒業コンサートというものを初めて体験する僕にとって、やっぱり感動的で神聖なものであったのです。ジョンレノンは世界に平和をと願っていたバカな平和主義者だったのかもしれないけど、彼が夢想した「音楽を通じたLOVE&PEACE」というものを、あの時、確かに感じたんだなぁ。まったくもってばかけているけど、確かにあったんだ。バカはバカでも、あそこにいたみんなはいいバカだったと思う。「あの羽、何!?」って突っ込むのは簡単だし現に今見てもツッこんじゃうけど、それでもみんな大声でよっすぃよっすぃ叫んでさ。いつものように、彼女は照れくさそうな「あの」笑顔をみせながら一面の白い海をゆっくりと歩んでいって、そっと目を瞑った。彼女の周りの空気が一瞬、彼女だけのモノになる。次にその瞳を開いた時、もうそこに憂いのようなものは映っていなかった。歌いだす前の刹那、一瞬だけ見せたそれは、きれいさっぱり吹き飛んでいた。


その出会いのために、」その出会いのために、さよならを言う。モーニング娘。というものを今にして振り返れば、そういうグループなんだろう。出逢う事、別れる事、変化する事、成長する事、年齢を重ねる事。全ては必然で。この世の全ては諸行無常であり、だからこそ、すべてのものはうつくしくそこに在りつづける。だからこそ、その出会いに「ありがとう」を。さよならの前には、ありがとうを。こんな幸せな卒業コンサートがそこに在る限り、きっとアイドルとファンの幸せな関係というものはずっと続いていくんだろう。錯覚でも勘違いでも、それはそれでいいんだ。永遠を信じられるもの、信じさせてくれるような、そういう何かがある事、それはとんでもなく幸せなこと、なんだ。間奏。観客の声援を、穏やかな表情で受け止めていく吉澤さん。こんなにも落ち着き払って、ただ一身に声を想いを受け止める。ただ、そこにいる。それが何て素敵で何て幸せな事か。そして彼女は「毎日本気でいるなら」と、彼女は拳を握り腕をピンと高く突き上げ、高らかに歌う。


「ねぇ、ありがとう。ありがとう。」


歌が終わって、緊張の糸が切れたかのように、けれどもとびっきりの想いを込めてもう一度「あー!! ありがとう!!」と屈託のない笑顔で叫んだ、ね。あそこでああいう素を見せられるから、それが彼女の魅力だし、だから吉澤さんは吉澤さんであり続ける。これからも。



吉澤ひとみ卒業セレモニー


光井愛佳


「ほんと、お前犬みたい」


これに尽きるなぁ。光井さんを表現する言葉達の中でも、スッと心に入ってくる表現でした。こんな大舞台でしかもこんな特殊な状況においてもしっかり喋れてるし、久住さんと新時代のモーニング娘。を支える屋台骨になれる逸材。


久住小春


「おぃ、ミラクル」


最後の最後まで。ことある毎に久住さんは吉澤さんに怒られた話をするんだけど、多分それって吉澤さんがすげぇ信頼されてるからなんだよね。理不尽な事では怒らないからこそ、人前でもこういう話ができる。理想の上司、っていうのもそうだけど、母と子っていうか、やっぱりそこに家族のような絆を見ちゃうな。「だから、これからも、小春の、お母さんでいてください。」 次世代モーニング娘。のエース。


亀井絵里


「よかった」


亀井さんの言葉を受けた、吉澤さんの言葉。本当に愛情と優しさの感じられるトーンで。それにしても、この亀井さんのメッセージってものすごい名文だったと思うのです。会場で聞いてて涙が出そうになりましたもの。俺、関係ないのに。


「えぇと、入った頃、そんなにお話が出来なくて、だから、今日みたいに、こんなに吉澤さんを大好きになる日が来るなんて思ってなかったし、今日という日がこんなに早く来るなんて思ってなくて、本当にあぁあって思う事は、たくさんあるんですけど、吉澤さんからはいつも、何気ない一言ですごい元気をもらっていて、いつも適当適当って言われるけど、吉澤さんを大好きって思う気持ちとか、カッコイイって思う気持ちとか、優しいなって思う気持ちとかは、適当じゃなくて、本当に、思ってます。


メッセージを伝えた後、涙が頬をつたわり、それでも満面の笑みでいる亀井さん。こんなにも愛しさと切なさと心強さが同居した表情を僕は知りませんし、こういう表情が出来るという事はありきたりだけれども、青春であり、素敵だな、と。


「これからも適当な付き合いしてこうな」 冗談っぽく、けれどもありったけの愛を込めて。たぶん、亀ちゃんみたいな子、好きなんだろうね。素敵なセンパイコウハイってやつだね。モーニング娘。の核弾頭であり、平和の象徴。鳩。


道重さゆみ


「王子さまがここにいるよ?」


卒業前のラジオであったりインタビューでも、今後の娘。の中心として道重さんを見ていた吉澤さん。たぶんそれは正しくて。担うよ、担っていくよこいつは。


「逆に何も言わずに、手をギュッとしてくれて、それがすごく嬉しかったです。」 声が裏返ってるときの道重さんが必死で好きです。普段は周りが見えすぎているので、それくらいが丁度いい。あと、その手をギュッとしてる場面に遭遇したら、俺感動して泣いちゃうな。俺、関係ないのに。重さんっていうあだ名はもっとキュートがよかったけど、でも宝物だとのたまうさゆみん。一応フォローしておくと、重ピンクで「宝の箱」っていう曲を歌ったから、「宝物」っていう表現を使ったんですよこれ。モーニング娘。矢部浩之


田中れいな


「泣いてないよ、泣いてなんかない」


変顔したりさせたり、何だかんだで田中さんに今一番足りない所をちゃんとわかってるなぁと、改めてリーダーなんだなぁと実感する限り。愛があるね、この人には。


今までありがとございました、っていう言い方があんまりにもあんまりで、あっさりしてて、おもろ。あとそれ変顔じゃないし。でも彼女は彼女なりに吉澤さんへ感謝もしてるし気持ちもあってね。それは伝わった。モーニング娘。のセンター。


高橋愛


「頑張れ、頑張れ!」


高橋さんの表情が画面に映った瞬間から、高橋愛劇場の開演。卒コンといえば高橋さんですから。泣きながらも、必死に伝えようとする高橋さん。何を言ってるかが重要なんじゃなくて、何を伝えようとしているかが大切で。そんな高橋さんを見て、茶化したりなだめたりしながら聞いていた吉澤さん。でも一回、少しだけ真剣な声と表情で「頑張れ!」と言っていて、それはたぶん「これからのモーニング娘。」への叱咤激励であったんだと思う。


「絶対大丈夫だから、ファンの人は見ててくれるから」


想いを込めたパフォーマンスを、想いを込めて見つめる。その信頼関係。それはきっとさ、恋愛なのかも。号泣する高橋さんとそれをみつめる僕ら、そして吉澤さん。「僕らの」モーニング娘。のリーダー。


新垣里沙


「そぉ~んなこと言わないでよがきさぁん」


茶化していたけど、たぶん、吉澤さん、動揺してたと思う。がきさんのメッセージが終った後、抱擁しながら吉澤さんはしっかり何事かをがきさんに伝えていた。これからのモーニング娘。新垣里沙についての励ましだったんだろう。大丈夫、がきさんは自分が思ってるよりずっと強くてカッコよくて頼れる「モーニング娘。」なんだよ。あとね、「本当に六年間、約六年間ですが」って言い直しちゃうとこなんて生真面目さが滲み出ちゃうよね。良い子、ほんとうにいい子。


「吉澤さんが卒業しちゃうと、私が、私の中でのモーニング娘。がいなくなっちゃうんですよ」


これは本当に衝撃的で、素晴らしい名台詞だった。会場で聞いていて、腰から椅子にへたり込んでしまったもの。多分モーニング娘。を見続けてきた人であればあるほど、感慨深い一言だったんじゃないか。僕はそれを語るにはあまりに言葉を持っていないけれども、それでもこの言葉の重要性は理解しているつもりだ。さすがはワンフレーズポリティクスの女王がきさん。


でもこの日を境に娘。が終っていく様な感覚は確かにあって、もう二度とこんな大会場に人がごった返す様な事は起こりえないんじゃないかとか、そんな感傷的な気分も相まって、がきさんの言葉がより胸に響いてきたんです、その瞬間は。でも、時間を置いて少し冷静になって、また希望をこめた目線で振り返ってみれば、まだまだモーニング娘。は終っちゃいねぇのれすよ。「出会いがあれば別れがあり、終わりがあるから、また始まる。」この吉澤さんの言葉はまさに「モーニング娘。」というコンセプトそのものであって、そういう意味で言えば、むしろ吉澤さんがいなくなるからこそ、また新たな娘。を始める事が出来る訳です。それでもがきさんの言う通り、何かが終ってしまった様な気がするのも確かで。じゃぁ一体何が終ったんだろうと。「ASAYAN的なコンセプト」っていうのは、まぁ、パッと思いつくところ。でもね、もはやそのコンセプトなり精神っていうのは娘。だけに収まるものじゃなくなっていて、ハロプロ全体に深く根付いているものだと思うんです。三次元のアイドルを愛でていくという事は、やっぱりそれは対象ではあるけれど決して概念ではなく、商品ではあるけれど人間でもあって、形態は多種多様だけれどもモノではなくて、虚構でも現実でもある、そういう存在として認識していくという事。例えば辻さん加護さんだったりっていう、少女の青春を、人間の人生を「消費」していく事っていうのは、全く予想もつかない展開が永遠に待ち受けていくという事で、それはASAYANっていう一番組のコンセプトをなぞっているとも言えるし、そうでないとすれば、それは人が生きていくっていう事そのものだから。


あの日あの時さいたまで、あの瞬間に終ってしまったもの、それは多分「四期」っていう概念そのものだったんじゃないのかなぁ。正確にいうと、モーニング娘。の中で「四期」が果していた役割や物語とか、そういうの。何だかんだで、矢口さんがいなくなっちゃったあの時、初期から続いてきたモーニング娘。は一回終ってたんだと思う。吉澤さんは娘。を引き継いだんじゃなくて、新しく築いてきたんだよ。「ライバル同士」だったメンバーの関係性が、明確に「家族」になったのも、吉澤さんの、もしくは四期全体が共有していたコンセプトの成せる業だろうし。それはガッタスだったり、もしかするとハロプロ全体にもそういう雰囲気が漂っていたように感じる。全てが一つのモノに集約されていくような、そんな感覚。


だとすれば、次に始まるのは「五期」の時代であり、コンセプトなんだ。それが何になるかはわからないし、これから生まれてくるもので。そしてそれを作っていくのが高橋愛であり、がきさん、あなたなんだよ。新生モーニング娘。のマザーシップ。


藤本美貴


「リーダー、頑張れ。この重たい船を、舵一杯こう、振り回して、お母さん、頑張って。」


誰がなんと言おうと、藤本美貴モーニング娘。の第四代目リーダーだった。ひとピンク・みきピンクの抱擁。未来が、行く末が見たかったです。モーニング娘。藤本美貴


20.I WISH


ダメだよダメだ。この曲はダメだよ。詰まり過ぎてるもん、想いが。反則だー。お昼の回でこれがきた時点でもう涙ぐんじゃったもん。歌詞があまりにも普遍性のあるもんだから僕(ら?)に届き過ぎて共感できすぎて困っちゃうし、それでいてモーニング娘。というグループ自体の道程を歌っているかのような、シンクロしているかのような。日常の繰り返しと人生、「私」と「あなた」とそしていつか出会う「誰か」とが交差し交わっていくミクロとマクロの視点が奇跡のバランスを持って成立している、「何者でもない僕たち」の事を歌ったアンセム。「誰かと出逢ったり恋をしてみたり」する事で、僕らの人生は素晴らしいものになる、らしい。恋を「してみる」くらいのニュアンスでいいんだから、だから僕らがアイドルに恋を「してみる」事だって、それはそれでなんだろう、素晴らしいことなんじゃない。それくらい開き直ってみたっていいじゃない。だって彼女達はこの瞬間、世界中の誰よりも輝いていて、それでいて誰よりもカッコイイんだから、たぶん、おそらく、きっと。高橋愛の凛とした表情とその中にある泣き腫らした瞳がこの場にあった全てを物語っている。


「晴れの日があるから、そのうち雨も降る」そんな風に全てを納得できる日、そんなある晴れた日に「人生って素晴らしい」と心から実感できるんだろう。「出会いがあれば別れがあり、終わりがあるから、また始まる。」 I WISHという曲のメッセージが、吉澤さんの心にしっかりと刻まれているという事実。プロデューサー冥利に尽きるってもんでしょ。きっと、彼女はこの瞬間に人生の何かそういうのを「実感」したんだろうね。「今、めっちゃ幸せ。」


「真っ白。」「みんながいてくれる限りね、もう、この真っ白のように、何色にも染まるよ。」「これからもみんなと、素敵に出会っていきたいです。」 ちょっと時が止まればいいのになっていうのはこういう事かなぁって思うくらい名言連発。笑いあり涙あり、最高の卒業式であったと思います。



21.BE ポジティブ


この曲なんだか妙に好きなんです。好きっていうか愛らしいというか。ライブでメンバーがバカな振り付けを楽しそうにやってるのを見てると、本当に顔がほころぶというかそんな自分キモイというか。トランペット吹く真似してる亀井さんとかマジやべぇでしょ。何かしらのコードにひっかかっちゃてるような気さえするし。なんだろうねぇ、がきさんだったりかめちゃんのポジティブさであったり吉澤さんから溢れてくる力強さであったり、かといって藤本さんがいるからただのポジティブではない、このニュアンスが、好きだ。言い切ったった。



22.ここにいるぜぇ!


「5月6日 さいたまスーパーアリーナ 私たちは今 ここにいるぜぇ」


Rock。これこそまさにロックなんじゃないの。僕らがここにいて、ここでこうしてて生きている事、それをただただ叫ぶ事。存在証明。「どすーん」と会場が僕らのジャンプで揺れ、俺達はここにいるんだぞと、生きてんだぞと、クソッタレな日常に向かって叫ぶ。そこに嘘偽りのないRockの魂を感じた。今、こんなメッセージを真正面から伝えられるグループがどれだけいるんだろう。すげぇよね。どれだけ伝わってるかわからないけど、本当にこれって凄いメッセージだと思うんだよ。愛でも恋でも友情でもない、「私たちは今、ここにいる」という、シンプルで軽やかな主張。曲中のコール&レスポンスで全ては解け合いはじめ、「みんなロンリーBoys&Girls」なんだと、みんなが「声を揃えて」腕を振り上げて叫ぶ。「ここにいる」という、ただそれだけの連帯。その中心にはモーニング娘。がいて、その真ん中には吉澤ひとみが、いた。それだけでいいし、それが答えだよ。



23.青空がいつまでも続くような未来であれ!


「みんなでやれば怖くない」


僕らは突き詰めていけば、孤独な存在なのかもしれない。けれども何かの縁で集まってきて、ここにいる。みんな孤独だけれども、それでもここにいる。「右の人の肩に手を置いて」 そう言われてみて、ふと気づく。孤独だけれども、横にはきっと誰かがいるはずで。下を向いていては気づかない事、「ポジティブになれ!」と言われて気づける事。「誰かと話するの怖い日もある」けど、まずは信頼して手を置いてみること。その勇気が持てた時、「逆!」にも同じように誰かが待っていてくれていたことに気づくんだ。僕らは孤独だけれども、孤独だからこそ、同じ孤独を共有している「あなた」に優しく出来るんだろう。そんな道が「誰かとめぐり合う」ものとなっていって、いつか人生が素晴らしく見えてくる、はず。


「La La La」と吉澤さんが歌い、続いてメンバー達が一人づつ歌の輪に加わっていく。そして最後に、観客も一緒になって歌う。「みんなで」手を左右に振り、「みんなで」歌う。下手糞で暑苦しいし肩に置いた手の感触はそんなに気持ちいいもんじゃないかもしれないけど、この瞬間は会場中がモーニング娘。という一つの個体だったように感じます。大団円。


そして、「モーニング娘。吉澤ひとみ」にさよならを言う時がやってきました。彼女は両手をスッとのばし、中央の花道を駆け抜けていきます。そして360°に生声で「ありがとう」と伝え、全体にアイコンタクトをしてから「どすーん」と決めた後、もう一度「ありがとう」と万感の想いを込めて叫びました。センターステージへと握りこぶしを高々と掲げながら走っていく吉澤さん。最後にもう一度猪木ばりに「ありがとう」と締め、生声で「バイバイ」と言い残し、最後の最後までカッコよく華麗に僕らの前から去っていったのでした。


その後、ファンは誰もいないステージに向けて、「ハッピーサマーウェディング」のBGMの中で会場中がよっすぃコールをしておりました。物悲しいけれど、どこか温かみのあるそれは、やはり吉澤ひとみという人間の持つ存在感によるものだったんでしょう。初めて参加した卒業コンサートがこういう幸せな形で終わっていく事、それだけでも吉澤さんに感謝です。そんな感謝の気持ちを一言で表現するならば、「さいたまスーパーアリーがとう」と、そう伝えたいです。んなわきゃない。コージー締め。