それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

Revenge Of The Queen.


それは去る1/27の「Hello!Project 2008 Winter ~決定!ハロ☆プロ アワード '08~」でのことでした。仕事を終えて横浜アリーナのファミリー最前席になんとか辿り着いた私。当時、美勇伝の解散やらプライベート的なごたごたですっかり微妙なテンションだったので、なんだかまったりムードでライブを鑑賞しておりました。もちろん石川さんのあんまりにもあんまりな「じゃじゃ馬パラダイス」とか絶品だったし、当然のように「お願い魅惑のターゲット」でテンション上がって、かつ音楽ガッタスには圧倒されてたわけだけど、それでも何かが違う感覚で。


そんなとき、そんなときにですね、松浦亜弥さんが「I know」を歌いだしたんです。そのときに。なんだろうな、なんて言ったらいいかはわからないですけど、ただ、惹きこまれちゃったんです。松浦さんの歌う姿に引き込まれてしまったんです。いやもちろん松浦さんのI knowは今までにソロコンでも合同コンでも聴いてて、別にアレンジが変わってるわけでもなかったし、歌い方が違う訳でもなく、特別な要因は何もなかったんですけど、ただ松浦亜弥が歌っている、その姿に引き込まれてしまったっていう、本当ただそれだけで。「面白い」とか「裏読み」とかそういうんじゃなくて、ただ楽しそうに歌う彼女をこう、ぼんやりと眺めていて、それだけでいいというか、彼女とファンの作り出した空間がはらりと心地よく感じてしまって。今まで彼女が纏っていたものとは別の雰囲気が、そこの空間にはあったように感じたんですね。アイドルの季節に終わりを告げた後、彼女は過去を否定し続けていたように思うんですよ。振れ幅があまりにも大きくて、ファンもついていけないような瞬間もあったりして。でも、あの日の彼女は違っていた(気がする)。私がそういうふうに感じちゃったんでしょうがない。今まで縛られていたものから解放された、「アイドル」でも「アーティスト」でもない、純然たる「エンターティナー」だったように思うんです。別に何が偉くて何が偉くないとか、そういう話は全く関係なくて、そこにいるお客さんを純粋に楽しませていたっていう、そういう意味でのエンターテイメント。「Yeah!めっちゃホリディ」のときなんて、あんまりにも松浦さんが余裕で客の雰囲気を操ってるもんだから、一人で「すげぇ、松浦さんすげぇ」言いまくってたもの。


「自分のやりたいこと」と「お客さんが求めていること」と「会社に求められていること」を、全部ひっくるめて受け止めようと、そういうのを全部背負ってこれからの人生歩んでいくぞっつう覚悟みたいなものが感じられたのです。それって、すっげぇ大人だよなぁ。そんなことを考えながら、よくわかんないけど嫉妬したり、尊敬したり、けれどもやっぱり幸せな感覚を引き摺りながらとぼとぼと帰路へとついたのでした。