それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

MELON GREETING vol.2


ふと気づけば渋谷O-EASTのセンター付近に陣取り開演を待つ私がいたのです。メロン記念日+ライブハウス+仕事が休みという鉄板な組み合わせでライブに行かないわけにはいかないのです。なんだか雨上がりの場内は変な熱気と匂いが充満するなかスタート。


01.アンフォゲッタブル


開演と同時に前へ押し寄せる人々。本来ならそこへ突っ込む方の私ですが、今日は同行した斧屋さんとともにセンターのバー付近に待機。するつもりでしたが、大谷さんのお姿を見てしまったらやっぱりガマンできなくて、モッシュにちょこっとだけ参戦。大谷さんの動と静のしぐさにたまらなくしびれてしまうのです。首を横に振り静止した瞬間の首筋や、キッとした視線。静止が解け、再びこちらを向きなおし、曖昧なニュアンスの笑顔を浮かべた、その口元。Everybody 夜はこれからさ!!!


02.刹那さRanking


1曲目が終るくらいでモッシュピッドを抜け、定位置に。なんてことはない最高の夜を、こんなド平日に過ごさせていただいていいのだろうかと、ふと我に返ったりもした。始まる前はあんなに嫌だった汗の匂いを、僕だって、今、発しているわけだけど、でもそれでもいいと思った。だってメロン記念日を目の前にして楽しまないなんてなんぼなんでも据え膳もいいとこなんだから。


03.ゲスト:つつみかよこさん


ここでゲストのつつみかよこさんが登場し、歌とメロン記念日とのトークパートへ。まぁ、恐らくあの場にいたほとんどが彼女の歌を聴いたことがなかったんじゃないかな、と推測されますし、僕も知りませんでした。そして、曲調はバラード。この時間をどう過ごすのか、というところで、今話題の「ヲタ芸」について触れてみようと思います。ちなみに私の周りにはそういうことをやってらっしゃる方はいらっしゃいませんでしたけども。


こうした話題の時に過去必ず例に挙げているのが演歌歌手の前田有紀である。前田有紀ハロープロジェクトのコンサートに、我々からは不可解な事情で毎年出演している演歌歌手である。別にアイドル性のある歌手でもなく、普通に演歌を歌っている。ヲタは、それを見に行くわけではない。でも、必ずライブ中に彼女の曲があるのだ。ここで、ヲタはそれに対して無視を決め込むことも出来たはずだった。ただ、せっかくライブに来ているヲタはそこで類稀な創造性を発揮し、演歌調の曲に合わせて体を動かし、それさえも盛り上げてしまう術を考えた、それがヲタ芸だった。これは、演者に対しての侮辱だっただろうか?少なくとも最悪の応対ではなかった。可能性としては、その演歌に対して無視することもできたし、その時間をトイレタイムにすることもできた。それは演者の存在価値を認めないことだ。負の例として、ダブルユーBerryz工房が合同で行ったコンサートで、初期のベリヲタダブルユーの曲になった途端に、前の方にいたヲタさえロビーにはけて曲を鑑賞しなかったという事例を挙げることができる。これは演者にとって(僕の印象ではヲタ芸よりもはるかに)侮辱的な行為だった。初期のベリヲタにはこうした排他性によってベリへの信仰を証明し強化していく志向性のあるヲタが一定数いた。それに比べれば、前田有紀に対してヲタ芸を炸裂させたヲタは彼女の存在をしっかりと認め、彼女をライブの中にしっかりと定位させてあげたのだ。そこには自分が楽しむためになんでも盛り上げてしまおうというエゴイズムだけでなく、自分が関心がないものでも最低限その存在を認めてあげようとする愛情もかけらくらいはあったように思うのだ。



中略


まずおそらく会場にいる99%の人間は、前田有紀のファンではない。そして、なぜだか知らないけどアイドル集団の中に含みこまれている演歌歌手の前田有紀にヲタは戸惑う。ヲタは前田有紀のファンなんて会場にいないだろうという前提で曲を聞き始めている。我々に一体どうせよというのか、という感覚。もちろん多くのヲタは大人しくしている。だけど、その中でせっかくだから盛り上がろうとヲタ芸をするヲタが現れた。2003年の前田の曲「東京きりぎりす」におけるヲタ芸の職人技は尋常でない(動画サイトでいくらでも視聴可能)。

で、はっきり言って、これは結局、やっぱり、侮辱である。侮辱であることを、多分ヲタ芸をしている人は否定しないだろう。重要なことは、アイドルを取り巻く空間において、無関心よりは侮辱のほうがよっぽどましだということだ(そもそも前田有紀がアイドルかどうかというのも問題だが、我々としてはアイドルと同じライブ空間にいる以上そう扱うより他ないのである)。


参考URL:http://d.hatena.ne.jp/onoya/20080524


結局論点は


重要なことは、アイドルを取り巻く空間において、無関心よりは侮辱のほうがよっぽどましだということだ。


ここなんだと考えるし、この論理に一定の理解はできる。でも私は、この意見に賛同はできない。当然のことながら芸能人という存在は話題にされなくなる、注目されなくなることが命取りであるわけだし、だからこそワイドショーであったり週刊誌には様々な売名行為が蔓延っている。だからどんな形であれ注目を得ることは芸能人にとって「得」なことであり、それが例えば「観客がオタ芸をしている演歌歌手」だという売り出し方(レッテル)でも構わないのかもしれない。


前田有紀を侮辱してヲタ芸をする」ことと、「曲を無視してロビーに出ること」「関係性を完全に断ち切る侮辱」と、「あくまでライブ空間内での対アイドル関係としての侮辱」(ヲタ芸


そのどちらかをどうしても選択しなければならないとすれば、関係性がわずかながらでも残っている分、ヲタ芸をすることを選択せざるを得ないのかもしれない。けれど、


私は学生時代に芝居をやっていたことがある。当然、たかが学生の素人芝居だから、客なんて友達か知り合いしか来ないわけ。無料ならまだしも、止めときゃいいのにお金を取ってやるときはなおさら大変で。少ない知り合いを総動員しても、それでも赤字になっちゃうような、そんな程度の集客なわけですよね。けれども、やっぱりそんな中でも一応なにかしら「目的」があるから、芝居をやってるわけです。伝えたいことなんて大層なメッセージはなくても、楽しんで帰って欲しいなとか、笑わせてぇなとか、それくらいはあるんです。拙いけれども、まぁ、懸命にやるわけです。だからといって評価が得られるとも思ってないんです。「一生懸命」やったからそれでいいだろ、なんて傲慢さはないですよ。だって金取ってるんだもの。アンケートに「つまんない」だの「意味がわからない」だの書かれたり、それこそ途中で帰られたことだってありますよ。でもそれは甘んじて受け入れるし、受け入れられないんだったらやる資格ないんだろうし、受け入れてるフリして「自分は絶対面白いんだからこんな客ほっておこ」と思うのもいいんだろうし。


ただ、たとえば途中でケイタイ鳴らしたりするような奴とか、(これは自分の芝居ではなかったけれども)友達が出てる時以外に喋ってたりするようなのは、はっきりいって邪魔でしかないし、こっちからすれば「帰ってくれ」という感覚しかないですよね。だって、そのせいでこっちの「意図」が伝わらないとしたら、それこそそれまで「一生懸命」やってきた準備であったりプランであったりが一瞬にして無駄になってしまうんですもの。自分の力量不足でウケない・盛り上がらないことと、こちらが意図した以外の盛り上がりでこちらの「意図」が伝わらないこと、僕は後者の方に嫌悪感を感じますし、無力感を感じます。だってこちらが防ぎようのないことなんだもん。


もちろん、これをそのままプロである彼女達にそのまま当てはめるのは違うと思います。そういう客をも受け入れていくことがプロなんだろうし、そういう客をも虜にしなきゃいけないのがプロなんだろうし、それをガマンするのがプロなんだろうし、もっといえば金払ってくれてる時点で「商売」は成立してるわけだから、そこに余計な波風(ヲタ芸禁止)を立てる必要もないのかもしれない。でもやっぱりあの日、たとえばつつみさんの歌っているときにヲタ芸をするのは「違う」なと感じただろうし、それこそメロンなりBuono!なりの出番でヲタ芸がはじまったら、その違和感はより具体的に表層化してくると思うんだ。


自分が関心がないものでも最低限その存在を認めてあげようとする愛情もかけらくらいはあったように思うのだ。


無責任な愛情ほど迷惑なものはなく


その中でせっかくだから盛り上がろうとヲタ芸をするヲタが現れた。2003年の前田の曲「東京きりぎりす」におけるヲタ芸の職人技は尋常でない(動画サイトでいくらでも視聴可能)。


せっかくだから、とか、そういうのいらないんだよたぶん。映画館で、途中で興味なくした子供が泣いたり遊び始めたりすることあるでしょ。それと一緒じゃん。子供だったら親に無理矢理付き合い合わされて来ることもあるんだろうけど、みんな自分でチケット買ってきてるわけでしょ。出演者リストにも基本的に載ってる人じゃん。たった1曲の演歌ですらガマンできなかったのかな、当時の人達は。というより、たった一曲の演歌だからガマンできなかったんだろうけども


2004(?)年のさいたまスーパーアリーナ、けやき広場で行われた伝説(と言っていいと思うが)の「ロマモー」である。藤本美貴「ロマンティック浮かれモード」に合わせ、会場外で繰り広げられたヲタ芸は、「アイドルは究極的にはいなくてもよい」という身も蓋もない事実を明らかにしてしまった。(ヲタでない方で見たことがない方はこちらで見ればわかりやすいです→http://jp.youtube.com/watch?v=ONBjeAjjjGo


参照URL:http://d.hatena.ne.jp/onoya/20080525


アイドルがいなくてもいい人達には、いないところでいくらでも盛り上がっていただいて。少なくとも、僕はあの日、大谷さんに少しでも近づきたいと思ったんだ。どうでもいいけど、どうでもいいんだけど、邪魔だけは、しないでよね。って書いてても、僕だって最近ではモーニング娘。の「シャボン玉」の時に、「愛する人は『れいな』だけ」というコールをするようになっちゃいましたしね。田中さんヲタってわけでもないけど、「お約束」にノってみるっていうことで。でも曲を聴きたい人にとっては邪魔なだけだろうし、正義の旗を振りかざすなんてことは到底できないんですわ。愛するって難しい。ちなみに斧屋さんは頭よさげにみせたがるけど、本質的にはただのなっきぃが好きな恋する旅行好き(遠征ヲタ)なのでかわいいなと思いながら仲良くさせてもらってます。


04.恋愛♥ライダー

05.じゃなきゃもったいないっ!

06.Kiss!Kiss!Kiss!


Bouno!登場と共に周囲の雰囲気が明らかに一変、した感覚が訪れる前に、暴徒と化した観客が前へ目掛けて突撃してきました。一瞬たじろぎ、目の前の光景を呆然と見つめる私。ものすごいコトになっている惨状が眼下に広がっています。ここで、ここで行かにゃ男がすたる、ということでワンタイミング遅れて突撃。最前線に殴りこみをかけるや否や、肩に鈍痛。いきなり左肩をやられました。何せ相手はこの密集地帯で棍棒サイリウム)を振り回しているのです。舐めてかかってはいけません。左右に吹き飛ばされながら、嗣永さんことアイドル超人のパフォーマンスを堪能。してたら、足元に倒れこんでいる人を発見。「マジでアブねえから動くな」と周囲に叫びつつ、救出に成功。アイドル観ながらレスキューまで体験できちゃうMELON GREETINGマジ熱い。Bouno!はあくまでアイドルのプロとして盛り上げてた感覚。あの地獄絵図を目の前にして表情が変わらないのは凄い。あと、MCの時の鈴木さんの焦りっぷりがかわいかったです。天然ものの本マグロって感じ。


07.宇宙でLATATA

08.HEY! 真昼の蜃気楼


稲葉さんは体調不良のため声が出ず。次回のリベンジに期待。がためきらとかちょーききたい。でも真昼の~のダンスはみんなかっこよかったなぁ。


09.ほとんどがあなたです。

10.愛してはいけない…


ここから徐々にメロン記念日の雰囲気を形成していく。あんまり大谷さんのマイクの調子がよくないらしく、音が途切れがち。


11.さあ、早速盛り上げて行こうか~!


熱狂。狂乱。


12.さぁ!恋人になろう


何回、何十回、何百回聴いても飽きない曲の中の一つ。本当に好きだ、この曲。この曲までにほぼ最前列までは辿り着いて、そんでもって目の前には大谷さんがいて、手をいっぱいに伸ばして、叫んで、「触れたいな」と、「ちょっとでもいいから近づきたいな」と、そんな風に感じてしまいました。恥ずかしながら。ハロプロのライブでこんな風に感じたのは、ひょっとしたら初めてだったかもしれない。それくらいライブに没入してたんだろう。まさに、至福の瞬間。ちょいとSっ気を含んだ大谷さんの目線が僕の真上を通りすぎていく。それを僕は下から見上げながら拳を突き上げている。それ以上、何が必要で何を求めたら良いのかがわからない。


13.This is 運命


ぎゃー。もうなにがなんだかわからないくらいぐちゃぐちゃになって終ってみたらレイプされたんじゃないかってくらい服も伸びちゃっててしかも汗でぐちょぐちょだったし肘入れられた肩もすげぇ痛いし最悪なはずなんだけどでもやっぱりメロン記念日が最高でした。