それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

僕は田中れいなに恋をしない。


田中れいなからのお知らせ!れいな危機一髪!

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お前らもっと騒げや!!! こんなにくそおもしれぇコンテンツが無料でお届けされてるんだよ!!!! This is インターネットやん、あいてぃ革命やんか!!!! まぁ要するにですね、田中れいなさんが黒ひげ危機一髪を一人で行い、一人で盛り上がりながら、一人で短剣を刺し、刺せた短剣の本数×10秒告知タイムを与えられ、一人で告知するという、田中さんの田中さんによる田中さんのための公開まな板ショー。なんかゾクゾクするよねこのシチュエーション。そして案の定、田中さんの魅力が凝縮されたまじやべぇ流出動画ができあがっております。


それにしても、田中さんは自分を客観視する能力に長けているなと、この動画を見て改めて気づかされました。冒頭、「こんばんは、田中れいなです」と無難な挨拶からはじめるもすぐに「ダメだな」と自己ダメだし。そしてすぐに「ヤッピー! 田中れいなです!」と元気なバージョンに切り替えながら、小声で「やっぱこっちの方がれいなっぽいな」と自己確認。常に他人からどのように見られているか、どのように映っているかを意識していることが見て取れます。田中さんは他人に対してもマジレス(鋭いツッコミ)をいれることで有名ですが、それもこれもこの批評眼があればこそ。彼女は心の中におすぎとピーコを飼っている。そういった彼女の二面性が活かされるのは、やはりこういった一人喋りの舞台。もちろんスタッフに話しかけている部分はあるんだけど、どちらかといえば、自分が口に出したことを耳で聞き、それに対してさらに反応しているといったほうが正しそう。


またなによりも、田中さんのイケてなさ、残念なニュアンスが存分に発揮されていたところがこの動画の肝。ゲームを始める前に自ら「過去に大体二回目くらいで(黒ひげが)飛び出します」と宣言し、見事に2本しか刺す事ができずに終了したところはむしろアイドルとしての華を感じるんだけれども、注目すべきは、自分の似顔絵を書いた黒ひげをカメラの前に持ってきた際に放った「あ、めっちゃ同じ頭やん(自分の髪型と似顔絵のそれが似ているという意味)」というコメントのくだらなさ。そしてそれを聞いたスタッフの反応たるや「フンッ(鼻で笑う)」ですよ。ねぇ、アイドルが何かコメントしたときにスタッフに鼻で笑われることってあるの? あっていいことなの?? そしていよいよ衝撃のラスト。結局、たった20秒しか時間がなくて上手く宣伝できなかったよー的なまとめで場が和やかな雰囲気となり、本日の感想を聞かれた田中さん。その口からでた言葉。


「いったいこの企画はなんですか?」


「場が凍りつく」という言葉の意味を、僕は、この動画ではっきりと認識することができました。それまであったスタッフの笑い声がパタリと止んだのが妙にリアルで、痛々しいし愛おしい、まさに田中さんにしか体現できないジェットコースタームービー。すべらんなー。



田中れいなからのお知らせ! れいな危機一髪! リベンジ

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なんだかんだあって書くのもめんどくせぇんだけど、とりあえず最後の「ハッピーエンドやん」っていう投げやりさに爆笑した。パソコンの前で爆笑した。鳥居みゆきはお笑いのプロとして計算されたぶっ壊れ方を選択しているんだけれども、田中さんは違うから。どう書いたらいいかわからないけど、彼女はガチだから核弾頭だから。


田中れいなからのお知らせ!おまけ

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今度はストップウォッチを指定された範囲内の秒数で止めるゲームに挑戦する田中さん。別に内容がどうとかないんだけど、なんだかんだでゲームを成功させてなんだかんだでご褒美のケーキを食べる段階まできた田中さんのコメントを検証してみたい。数あるケーキからモンブランをたべることにした田中さん。普段、あまりモンブランを食べないということで選んだらしい。ケーキをフォークで刺しながら「れいなコメントとかムリよ、まじで。」と軽くジャブを打ちつつ、「いただきます」。このあと、ケーキを頬張ってからラストまでの様子を書き起こしてみたいと思います。


(ケーキを頬張り、一瞬目線を下に落とした後、すぐに顔をあげて)「うん、栗(若さゆえの天衣無縫さを含んだ表情で)。(再び目線をケーキにやりながら、自分のコメントの適当さに噴出しつつ)そのままやん。(とりあえず自己ツッコミを終えて、もう一口ケーキを食べようとした刹那、突然何かを思い出したようにカメラの方を向き)バイバイ(手を振る)。」 スタッフの失笑。そして画面には「終」の文字が浮かび上がる。


デンマークにおける映画運動である「ドグマ95」に通ずるような、ドキュメンタリズムと虚構性を内包した、すべての批評を超越しうる映像である。全てのドキュメンタリーは虚構であり、全てのフィクションは真実である。がしかし、この映像群は、まさに田中れいなという存在そのものだといえるのではないか、そんな実感がある。映像から滲み出ている感情・動作・雰囲気、全ては他の何者でもない、田中れいなである。アイドルを愛してみたり信じてみたり裏切られてみたり裏切られたと錯覚してみたり。真実や虚構はそこかしこに溢れかえっている。真実や虚構というものは、その定義や尺度というものは、それぞれの心の中に存在しているものだから。


けれども、なんのことはない。田中れいなは、ここにいるじゃないか。そう遠くない未来に、田中さんはアイドルではなくなってしまうかもしれない。でも今は、こうしてここにいるじゃないか。過去が未来を形成し、未来は過去を否定し得る。けれども、今、ここでこうして田中れいなの動画で楽しんでいる僕の気持ちだけは、否定する事はできない。アイドルというものは、そういうふうにできているんじゃないかなぁ。嘘だけど。