それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

「THEE MOVIE -LAST HEAVEN 031011-」@渋谷シネセゾン/監督:番場秀一

2010年がはじまりました。今年はカウントダウンジャパンにて年越しを致しましたので、映画初めもやはり音楽で幕開けをしなければならないのではないかと思い立ち、独立国家ミッシェル・ガン・エレファントのライブを観に行ったのです。この映画を言語化するということは角田光代の「音楽は消えない。それだけでも、この世界は信用に足ると私は思う。」との言葉で既に為されているので、特に語ることはありません。それにしても、なんでアベさんはあんなに辛そうにギターを掻き鳴らすんだろう。四弦の切れた、ギターを。


あまりにも鋭敏だったように思う。当時の僕は、なんでこんなに格好の良いバンドに恋をしていなかったのかと、後悔して出した結論。僕みたいなもんの手には余りある、鋭さ。ジーマ片手に映画館の最後列で、立ちすくみながらナイフを突き付けられながら、そのように感じていた。そこにあるのは明らかな「終わり」だったから、だからやっぱり仄暗い絶望に包まれるのだけど、だけど、終わりは、世界の終わりはそこで「待って」いてくれるから、だったら世界が終わるまでは世界を終わらせないように、そのように生きてみようと、そう思ったのです。ライブの最期、あんなに辛そうだったアベさんが、少しだけ表情を緩めて、けれどもどうやって感情を表現したらいいのかわからないような、そんな感覚で「ありがとう」と、一言呟いていた。それは明らかな、希望であったように思う。そんな希望を持って今日も生きてみる。


人生というものはちょっとゆるやかに だいぶやわらかに かなり確実に 違ってゆくだろう、けど。けど



ミッシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE” ?LAST HEAVEN 031011? [DVD]