それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

「さよなら、さよならハリウッド」ウディ・アレン

 大好きなウディ・アレンの新作。公開直後に見に行った。ウディ作品のイメージと言えば「インテリの皮肉家」と言った所だろう。昔の作品群は特にその傾向が強いし、そこが彼の魅力でもある。しかし、僕がウディを好きな理由は他にもある。「顔」だ。この人、本当に面白い顔が出来るのである。基本だけど、これほどの武器もない。

 歳とってからのウディのコメディーは、毒と馬鹿さ加減がテンポ良くミックスされていて、胃にもたれなくて非常に観やすい。今回もその例にもれず、二時間何も考えずに楽しませてもらった。「何も考えずに」観れる作品ってやっぱり必要。

 ウディは映画監督としてはもちろん、役者としてもやっぱりお上手。レストランでの元奥さんとの会話はウディ節全開。笑ったね。全体的にちょっとチャップリン的というか、体張ったドタバタな展開。ウディにしてはちょっと珍しいかも。そして、夕日に染まるニューヨークがバックのクライマックスシーン。町並みの美しさと(この人、NY撮らせたら本当凄いよね)、「I can see!」と叫ぶウディのコメディアンぶりが相まって、ウディの才能っぷりを再確認致しました。このシーンのウディのセリフは、最近の僕の口癖ともなっています。オチはとってつけた感が非常に良し。

 自分がどうやったらおもしろく見えるのか、わかってらっしゃるお人です。