それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

「ハウルの動く城」/宮崎駿

ハウルの動く城 2005年度 カレンダー


観た。映画館で初めて宮崎アニメを観た。ジブリ作品にしては分かりにくい作品だな、という印象。精神的な隠喩が多かったように思う。

美輪明宏さんの声が良かった。キムタクも違和感なかったし。倍賞さんは流石。一瞬の演じ分けは真似できないね。我修院が声やってたのは意外。しかも上手い。何故だ。

主人公の少女ソフィーが魔女の魔法で、90歳の老婆に姿を変えられてしまうのだが、この設定が肝。シーン毎のソフィーの感情によって、年齢が変化していくのである。この演出には惚れ惚れした。劇中では、感情によって年齢が変わるという設定が明確に出ていないため多少戸惑うかもしれない。自信もなく、やりたい事も見つからないソフィーが老婆になり、ハウルに恋心を感じるシーンでは少女の顔に戻る。なりゆきでおばあさんの介護をするシーンでは、40代の母親の顔に。そしてコンプレックスの象徴である髪を切り捨て、彼女は元の少女の姿に戻るのである。

恋してる奴は若くていつまで経っても乙女だし、逆に目標も生きがいもねぇ奴は死んだも同然だって言う事なのかなと。実年齢関係なく、精神年齢が大事なんだと。他には、女はなんだかんだ言って色んな側面を持ってるんだよ、という風にも読めるかもしれない。

全体通して、「戦争反対」みたいなメッセージがおとぎ話的な挿入をされていて見やすかった。説教っぽいと鼻につく感じがするが、この作品くらいストレートなら、逆に良いのではないだろうか。やっぱり子供が見るし。


ハウルについてはもうちょい書きたいので、次回に続く。