それにはあまり意味がない

自由に生きて、強く死ぬ。

ミュージックフェア


春一番」(安倍・後藤・松浦)


初っ端からの名曲とそれを歌うに相応しい三人組。思い入れのある曲だけにイントロから興奮しっぱなし。春が訪れる高揚感と恋が始まる前の期待感をこうも歌詞の中でリンクさせられるだなんて。良い仕事してんなー。ただこの三人だとそれぞれのカラーが確立されてるだけに、なんだか爽やかと言うよりも濃い春って感じ。


「私の彼は左きき」(吉澤・久住)


久住さんはこういう曲が似合うなぁ。「彼」って歌ってもこう、中学生が友達にカレを自慢する雰囲気が出て、上手い事中和されてかわいらしくまとまる。吉澤さんについては後述するけど、もう別格になっちゃった感あり。カワイイんじゃなくてもう完全に「キレイ」になったね。それにしても久住さんの笑顔って何故だかちょっと怖いんだよなー。かわいいのと怖いのは表裏一体なんだろうか。はい、ミラクルミラクル(このいなし方はどこのブログが発祥なんだろうか。秀逸。)


「恋する夏の日」(辻・紺野)


それに対して辻さんのカワイイ力ったら。何も語る事も無く、何の裏も無く、ただただカワイイからなぁ。やっぱり辻さんは奇跡。そりゃ天地真理の歌も歌わせたくなるってもんです。あ、でもどっちかって言ったら紺野さんの方がイメージには合ってるよね。そこにいる事に価値がある、みたいな。


夏の扉」(石川・高橋・亀井・道重)


石川さんはやっぱりやってくれたよ! 石川さんまさかの聖子ちゃんカット。何故。完全に出オチじゃないですか。振りに入った時のしてやったりの笑顔がやっぱり石川さんの石川さんたる所以なんだと思います。石川さんだけはガチ。常にガチンコ全力投球。相手は誰もいないんだけれど。


「少女A」(藤本・田中)


ハロプロの暴力担当。石川さんの「ガチンコ」はその「ガチンコ」っていう言葉の寒々しさというか上滑り感が正に石川さんを表すに相応しい言葉なんだけど、この二人に関しては正にその言葉通り。権力・闘争・覇権。そんな言葉たちが並びたちます。この曲はアイドルの範疇を超えてるというか、中森明菜のあの声で無いと表現しきれない部分がある気がしました。藤本さんのソロ歌唱の方が雰囲気出たかもね。前の曲からこの曲へのブリッジの部分で、藤本さんが表情を慌てて戦闘モードへ切り替える様子が映っています。その後の藤本さんのアップの表情は正に絶品。曲毎にその表情やキャラを変幻自在に操る「アイドル」という芸術作品の一端が垣間見れるシーンでありました。


かけめぐる青春「(飯田・保田)

「プレイバックPart2」(小川・新垣)

かけめぐる青春」(飯田・保田・小川・新垣)

「Yeah! めっちゃホリディ」(松浦・飯田・保田・小川・新垣)

かけめぐる青春」(飯田・保田・松浦・小川・新垣)


♪びゅーてぃびゅーてぃーびゅーてぃぺあー をブリッジにした、ショートコントコーナー。紅白歌合戦の応援合戦みたいな雰囲気をわざと醸し出してた感もあったけど、こういう幅広い年代を見据えた全方位へ向けたものを発信する時には、やっぱり「あやや」ってキャラクターは過不足無く完璧。それをナチュラルに演じきる松浦さんって、すごいなぁ。


「ウォンテッド」(全員)


ペア同士がお互いにマイクを向けて歌う演出。ピンクレディーがオリジナルなんだけど、こんなに絵になる演出って無いよ。やっぱり素晴らしいものには年代はなんて関係ないね。ベースラインがめちゃカッコイイのと、♪好きよ~好きよ~からの展開が素晴らしい。息をつかせない曲構成はさすが。ただ、石川さんの ♪ある時ニヒルな渡り鳥 の歌唱はオリジナルを超えてたと思います。超えたと言うか、石川さん「が」歌っている事の意味がちゃんと出てたので。おもしろボイスは飛び道具。


ここまで約八分間、途切れる事なくメドレー。歌って踊って笑って、こういうのをサラッとやりきってくるから侮れないんだべさ。MCもそこそこに怒涛の後半戦。


セーラー服を脱がさないで」(モーニング娘。)


♪友達より早く エッチをしたいけど~

 

って亀造! お前エリックだったじゃん。所謂普通の亀造じゃん。事務所公認で「造」って付いちゃうような女の子だったじゃん。それが……ねぇ。でも今の娘。の中で、おニャン子のコンセプトに最も近いのは亀井さんで間違いないと思う。田中さんでも道重さんでも、まして久住さんでもなく、亀井さん。プロのかわいさって言うよりも、もう少し近しい、手の届きそうなあの笑顔具合が醸し出すかわいさ加減がまさにどんぴしゃで。それにしても、歌も踊りもカメラへのアピールも、さらにはこうして各年代のアイドルを演じきる表現力であったり、全てにおいておニャン子の時代からは考えられないくらいアイドルである所の娘。にはそういった力が備わってるんだなと、改めて実感する。またそうでないと生き残れない時代なんだなぁとも。昔と今と、どっちの時代が良いのかはまた別問題なんだけどもね。


センチメンタル・ジャーニー」(安倍・辻・松本伊代)


御本人登場パート。昔のアイドル歌謡は歌や踊りの能力を求められない分、歌詞や曲にセンスを感じさせるものが多いと思う。歌詞の世界観が形作られていく中で、唐突にインサートしてくる「伊代はまだ16だから~」のフレーズ。アイドルってどっか破綻してないと逆に成立しないものなのかも。その点では、つんく♂って適度に色々壊してくるからなぁ。あながちこの理論も間違ってなさそう。


なんてったってアイドル」(松浦・石川・藤本)


三人それぞれの笑顔をパーンして始まったこの曲。石川さんの笑顔だけ他の二人の笑顔とは違う質の笑顔だった気がする。なんだろうこの感覚。その後飛び跳ねながら移動する三人ったらもう、あんた。石川さんは両手の小指が立ってたよ。疲れない? それ。それにしてもこの三人は小泉今日子的だわ。後に中山美穂広末涼子の曲が出てくるけれど、アイドル自身がアイドルである事を自覚している事が小泉的というか。その自覚って言うのは、主にアイドルのネガティブ面についてなんだけど。そのネガティブ面をネタとして、キャラとして昇華するのが小泉時代のアイドルだしそれがもうまさにこの曲のコンセプトで(詞も秋元康だしね)。特に松浦さんは小泉今日子の系譜なんだろうかね。


「夏のお嬢さん」(道重・久住・榊原郁恵)


御本人登場パート2。道重さんがすっごいはねてて気持ちよさそう。今日の道重さんはとりわけ絶好調な気配。郁恵さんも本当に楽しそう。バラエティではあの表情は出してないね。


「卒業-GRADUATION-」(モーニング娘。)


粋。キクチP、粋な演出。もう卒業の季節なんだね。


「ツイてるね ノッてるね」(後藤・安倍・辻)


辻さんは辻さんでしかないので中山美穂にはなりきれなかったけれど、持ち前の馬鹿さ加減で「ツイてるね ノッてるね」を見事におバカ歌謡に仕立て上げてくれました。でも後藤さんはどうやっても男前でカッコイイので、バランスとれてましたけどね。なっちは娘。メンバーと競演すると本当に良い味出るね。あの安定感ったらない。


「大スキ!」(吉澤・高橋・田中)


田中さんはフジテレビの高島彩アナに似てると思った。アヤ「パン」って響きも尚の事似合ってる気がするし。あとね、もう吉澤さんの美女化に触れないわけにはいかないんだこれ。もしも吉澤さんがモーニング娘。ハロプロに関係なくて、今、他の事務所からデビューしてたらこれ間違いなくブレイクしてたんじゃなかろうかと思うくらいにキレイ。かわいいっていうのは相手を愛でる感覚なんだけど、吉澤さんはもう「綺麗」の域に達したよ。吉澤さんから施しを受ける感覚。


淋しい熱帯魚」(安倍・辻・後藤・保田・飯田・石川)


そこにあの子がいればいいのになと思いました。


LOVEマシーン」(全員)


こうやって各年代の名曲を歌い継いできて、トリにこの曲がきた訳だけど。他の曲と比べても全く遜色ないレベルだし、テーマが恋愛でない曲を楽しく踊って歌って騒いでっていう、そんな新しいアイドルの歴史をちゃんと紡げているなぁと。つんく♂色はしっかりとアイドル界の歴史に刻まれましたね。

にしたって新垣さんの動きのキレが半端ない。特に♪明るい未来に 就職希望だわ~ の「未来に」の後でカメラに抜かれた時のダンスと表情がキレ過ぎてて笑った。プロやね。それに比べて亀井さんときたら。♪明るいっ とソロパートを歌った後に、してやった感満載の笑顔を残されてました。うん、かわいい。ラストのサビで一人一人の表情をカメラがパーンしていく部分では、安倍さんだけ何故か爆笑。釣られて笑ってしまいましたけども。「なっち天使」と言うよりも、もうあそこまでの笑顔を残されるとするなら、きっとたぶん七福神の中の何かだと思います。なっち現人神。


番組通して、選曲やメンバーの割り振りもかなり各人の特徴を掴んだものであったし、とても満足できた30分だったかと思います。願わくば、こういう興味深い企画が自分達のフォーマットで発信出きる様になると良いのかなと。